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いつもご利用いただきまして
誠にありがとうございす!
珈琲館 時計台 店主の渡部高仁 でございます!!
ご挨拶と合わせて、今のコーヒーの常識と、その流通について、ちょっとばかりお話をさせていただきます…!
コーヒー好きの方はぜひ最後までお読み下さい!!


いつも珈琲館時計台をご利用いただきまして誠にありがとうございます。私は店主の渡部高仁(コーヒー一筋、御年75才の自称コーヒー名人)でございます。これまで長年に亘りコーヒー豆の焙煎卸販売、個人消費者向け販売、地方発送と、喫茶店の経営をしてまいりました。
さて、突然で大変失礼ではありますが、皆様方に、ちょっとクイズを出させていただきます。何問正解できますでしょうか(○×式です・・・どうぞお付き合い下さい)?それではまいります!!





1.焙煎したコーヒー豆は乾物の一種である。  (    )

2.焙煎したコーヒー豆は生鮮食料品である。  (    )

3.コーヒー豆の品質さえ良ければ、ドリップなどで淹れる人の抽出技術のよしあしによって大きく味が変わることはない。(    )

4.高品質の豆であれば、焙煎してから3ケ月ぐらいは味は変わらない。  (    )

5.高品質のコーヒー豆の場合、焙煎してから1ヶ月以上経った方が豆の成分が熟成するので淹れた時の味や風味が格段に向上する。  (    )

ご協力ありがとうございました。さて正解は…








1.焙煎したコーヒー豆は乾物の一種である。 ( × )

2.焙煎したコーヒー豆は生鮮食料品である。 (  )

3.コーヒー豆の品質さえ良ければ、ドリップなどで淹れる人の抽出技術のよしあしによって大きく味が変わることはない。
( ○ )

4.高品質の豆であれば、焙煎してから3ケ月ぐらいは味は変わらない。 ( × )

5.高品質のコーヒー豆の場合、焙煎してから1ヶ月以上経った方が豆の成分が熟成するので淹れた時の味や風味が格段に向上する。 ( × )


でした!



先ず1問目、2問目の回答でのご理解いただける通り、焙煎したコーヒー豆がいくら硬く乾燥しているように見えても、


実はコーヒー豆は立派な生鮮食料品なのです!


皆さんが鮮度を気にする、魚や野菜類と全く同じ生鮮食料品として扱い、管理しなければならないデリケートなものなのです!


これさえ理解していただければ、3問目から〜5問目の問題も自ずと答えは分かります…例えば、3問目の

コーヒー豆の品質さえ良ければ、ドリップなどで
淹れる人の抽出技術のよしあしによって大きく味が変わることはない


と言う問題…。これを、生鮮食料品であるキャベツに置き換えて考えてみれば、最高の環境で無農薬栽培されたキャベツを、料理上手な奥さんがザク切りにしても、不慣れなご主人が切っても味は変わりませんね(但し、あまりにも不細工な切り方だと、見た目のイメージで味が変わるかも知れませんが、コーヒーの場合はそれはあまり関係ありません)・・・。だから○です。


同じ様に4問目の


高品質の豆であれば、焙煎してから3ケ月ぐらいは味は変わらない

も、キャベツで考えれば干からびてしまってあり得ない話ですので×です。

さらに5問目の

高品質のコーヒー豆の場合、焙煎してから1ヶ月以上経った方が
豆の成分が熟成するので淹れた時の味や風味が格段に向上する
これもあり得ないので×です。

これは、まだまだコーヒーに関する正しい基礎知識の極々一部に過ぎないのですが、皆様方の正解率はいかがでしたでしょうか?


さて、このクイズの解答と照らし合わせて、現在の物流システムで大量に販売され、消費されているコーヒー豆の実態について考えてみるとどうでしょうか? とくに4問目〜5問目の問題と関係してきますが、実は、いかに良質の優れたコーヒー豆でも、その鮮度を維持できる限界は、冷凍保存を施しても、焙煎したその日から長くて1ヶ月です。なぜなら時間の経過と共に、そのコーヒー豆独特の風味を味わえる為の最適な成分が、酸化と共に劣化し、、コーヒー豆全体の絶妙な成分のバランスがくずれてしまうからです。

これでは、おいしいコーヒーを淹れられるわけがありません!
特に、いったん粉に挽いてしまったコーヒー豆は、フリーザーで冷凍保存していても、その風味を維持できるのはせいぜい3日〜5日間ぐらいでしょう…それぐらいデリケートなものなのです。

しかし、大量に生産され、現在の物流システムに乗って販売される市販のコーヒー豆の場合は、焙煎されてから消費者の口に入るまでに、相当な時間が経過しているはずです。

さらにそれ以前の問題として生豆の低品質化があり、大量焙煎された後の、流通の期間を短縮したとしても、
コーヒー豆の品質そのものに問題があるわけですから話になりません!


この様な現状を問題視しつつ、私共は、25年以上に亘って、日々試行錯誤しながら、消費者の皆様方に、より高品質なコーヒーをご提供させていただくことに邁進してまいりました。お話が長くなって恐縮ですが、このあたりの事情の説明も含めて、ここで一旦自己紹介をさせて下さい。

私は長年の公務員生活を少し早めに切り上げ、当時自宅の一部を店舗として妻が切り盛りしていた小さな喫茶店を、不慣れながらも手伝い始めました。その後数年以内に下の息子も無事大学を卒業し、社会人となりました。その後、小規模店舗ながらもそこそこ堅実な運営を続けてきたが、どうにか食事メニューに売り上げを依存しない、当店独自の個性を打ち出し特徴のある店づくりをしたいと思い、その時行き着いた結果が、「今治地域で一番コーヒーの美味しい店」と言われるコーヒー専門店への路線変更を目指すことでした。当時の店には、自家焙煎コーヒーの専門店が置いているような大掛かりな焙煎機はなく、かといっていきなりこの様な本格的な業務用機器を導入するだけの決心もつかず…と言う状態で、何か方法は無いものか…と思案しつづける毎日でした。

そんな折、相当に安価なオーブントースター程の大きさの焙煎機があることを知り、早速購入し、くる日もくる日も良質なコーヒー豆の仕入れルートの開拓と、焙煎技術の研究に努め、未熟ながらも少しずつ、「これなら良いかも…!?」と思える味が徐々に出せるようになり、お客様からも
「時計台のコーヒーは美味しい!」
との評判を少しずついただけるようになってまいりました。しかし、堅実経営とは言いながらも立地や規模の面で売上も頭打ちの状態だった当時の店舗の今後を考えていると、時間の経過と共に、私自身の中で、「コーヒー専門店への路線変更と共に、更に良品の多品目販売を可能にするために、店舗の移転と規模の拡張をどうにか実現したい…!」と言う思いが日に日に強くなり、資金調達計画や、新店舗の候補地を当たる時期を迎え始めました。
 

ちょうどその頃、幸か不幸か、当時福岡県で勤めていた長男が、諸般の事情により、急遽今治に戻って来なくてはならなくなり、どうにか地元で長男の職を確保しなければならないと言う問題も発生した為、喫茶店経営の素人であった長男ともよく相談し、思い切って私と家内と長男の三人で新店舗を切り盛りしようという考えに踏み切り、急ピッチで新店舗の立ち上げ計画を走らせ始めました。幸い立地の良い土地と、良い設計士の先生には恵まれたのですが、店舗の運営方針をめぐって、融資をお願いする銀行筋との意見が分かれ、その調整が大変でした。

と言うのも大都市ならいざ知らず、この今治市内で軽食や食事メニューに依存しない、コーヒーオンリーの専門店など成立する訳が無いと言う先入観が強かったからです。しかし当時の私は、限られた人員で食事メニューに依存した店舗運営の日々の労力の大変さ、また原価率の高さにはほとほと嫌気がさしており、どうしても、「労働の対価としての利益率」の高い、コーヒー販売を主体とした店舗への体質改善をしたい…と言う思いは捨てられませんでした。


そんな問題を解決できないままに、銀行主導の店舗の運営方針でどうにかこうにか新店舗を立ち上げましたが、それからの数年間が大変でした、店舗規模も拡大しコーヒーの味も当時そこそこのレベルを維持していたので、以前とは比べ物にならないほどの来客数が続く毎日で、その上、一家三人で切り回すには過剰とも言えるほどの食事メニューを抱えていたため、店内(特に厨房)は戦争の様な毎日で、一家共々疲れ果て、挙句の果てに家族関係までギクシャクし、こんな毎日を今後も半永久的に続けていくと言うことに自信を失いそうになる毎日でした。しかも、これほど肉体的にも精神的にも限界ぎりぎりの営業でありながら、この原価率の高い食事メニューの、過剰とも言える多さが影響し、利益は思ったほど上がっていませんでした。この現実に直面した時に、「このままではいけない…もっと厳選したコーヒー豆を、独自の製法で焙煎し、誰もが上手いと唸るコーヒーの味を確立し、食事メニューは最低限度に抑えた利益率の高いコーヒー専門店への体質改善を達成しなければ…」と言う思いが私の中でますます強くなり、この時から、また新たな試行錯誤がはじまりました。


そして、大命題である「厳選したコーヒー豆を、独自の製法で焙煎し、お客様から高い評価をいただける、誰もが上手いと唸るコーヒーの味を確立する」という目標の達成に向けての作業と共に、ちょっと冒険でしたが、思い切って徐々に食事メニューを減らしていきました。当然これまであった食事メニューを当てにして来て下さったお客様にはご迷惑をかけ、がっかりさせてしまうこともありました。しかし、これは早いか遅いかの違いで、いずれはどうしてもやらなければならないことでしたので、つらいながらもこの体制は妥協せず維持しつづけました。

その内、「この店では食事はできない…」と言う認識が広がり始め食事目当てのお客様の来店はほとんど無くなりましたが、それだけでは売上が維持できません。その分店内でのコーヒーのカップ販売、豆販売を強化しなければなりませんので、同時に大型の焙煎機を導入し、高品質の生豆の仕入れルートの開拓と、コーヒーの風味のレベルアップに可能な限りの精力を注ぐ何年かが続きました。しだいに状況が好転してきました。食べ物は無いがコーヒーが上手いというイメージが定着しはじめ、カップ販売以外のコーヒー豆そのものの販売数も徐々に伸びはじめて来ました。

それに合わせて、有難い事に、講談社発行の本のコーヒー特集号で、読者の方の推薦店として掲載していただいたり、全国版の旅行情報誌にも記事として取り上げていただいたおかげで、全国各地の遠方からもお客様が来てくださるようになりました。本当に嬉しく有り難い出来事でした。


そして、更なる売上増を考えるとき当然の成り行きとしてとして、店内のみにとどまらない店外でのコーヒー豆の販売の構想が出てきました。


そんな頃地元のJAとの話がまとまり、今治市内のJAの何店舗かでの豆販売ができるようになり、各店舗のコーヒー豆の販売コーナーにおいて大手メーカーと肩を並べて、時計台ブランドのコーヒー豆を陳列させていただくことができるようになりました。爆発的な売れ行きとなったわけではありませんが、店内以外で多くの消費者の皆様方に、当店のコーヒー豆をその目にしていただける体制が整ったと言うこと自体が大変有難いことでした。ここに至るまで、激務から大病も患い緊迫した時期もありましたが、正に背水の陣で踏ん張り、そして何よりもコーヒー豆にかけた情熱、執念が私を突き動かしくれ、おかげさまで今も元気に朝から晩まで仕事に精を出すことができております。

その後、「コーヒー豆も生鮮食料品!鮮度が命!!」と言うコンセプトで当店のコーヒー豆を陳列販売させていただいていた「JAおちいまばり」が「菜さい市場富田店」と言う、地産地消の一環としての地元生産者の生鮮食料品を扱う産直市場を開設し、その中に当店が喫茶コーナーを開設することができました。この店舗はささやかながらも当店の2号店となり、多くの生産者の方々、消費者の方々の憩いの場、交流の場として毎日休むことなくご愛顧いただくことができました(その5年後の現在は、昨年夏に行った本店の方のリニューアルと合わせて、一時この市場の店舗を引き上げ、次の事業プランに取り組んでいる最中であります)。

この様な経過を経つつ「安全、安心、新鮮炒りたてのコーヒー豆」生鮮食料品としてのコーヒー豆」というものを更に更に追求していく中で、素晴らしいコーヒー豆に出会いました。それはブラジルにおいて日系の方が営む下坂農場と言うところで栽培される国際的にも厳しい基準に合格している完全有機栽培の「カルモ下坂」と言う貴重なコーヒー豆です。在この下坂農場のあるブラジル中西部のセラード地帯は、かつてはその酸性の土壌のため不毛の地と言われていましたが、ブラジル政府の開拓計画にそって、30年ほど前に入植した日系人開拓者の土壌改良などの努力が実り、今や大農場地帯に変貌しています。この下坂農場で生産されたコーヒー豆は、素晴らしい品質もさることながら、その品質、鮮度を維持したままで消費者の手元に届けられるようにする為に、流通過程においても徹底的な品質管理が行われています。そのため、

その流通経路も極めて限定されており、一般の豆の様に大量仕入れ、大量販売を得意とする大手商社等を介しての販売ルートもありませんので、入手はきわめて困難です。農場主の日本への高品質豆の輸出方針は
「熱意ある自家焙煎店」との直接交渉ですので、
農場主との完全な意見の一致が原則です!

媛県内での取扱店は、現時点では当店と、その豆の品質を認め、当店と共同での仕入れを行っている数店しかありません。このホームページをご覧の方で、まだ一度も当店にお越しいただいたことのない方がおられましたら、ぜひご来店の上、ご注文下さいませ!
コーヒー通の方なら、思わず「美味い…!」と認める味と香りです!!




 珈琲館時計台おすすめ特選ブラジル下坂農園のコーヒー豆!

「ブラジルを耕す」のテレビ取材
(日本農業水産情報アグリネット社)で、

有機質土壌
への転換に心血を注いだブラ
ジルの模範農場として紹介され、
日本のコーヒー業界から熱い視線をうけるも、
商社との取引は品質の低下を紹くとの理由でし
ない。希少価値の高いボルボンは、

個人の熱意ある自家焙煎店とのみ契約

し、
最高の焙煎豆として感度の高いコーヒーファン
に愛飲してほしいとのことで

一般の市場に流通しない。


※ボルボンコーヒーの特性
フレーバー …香り高く独特の風味の素晴らしさ。
後  味   …スッキリした滑らかさ。
酸  味   …柔らかみのある爽やかな味に甘味を感じとれる。
コ  ク    …苦味の中のボディー感はコーヒー本来の持つ深い印象。


『珈琲館時計台』では、この希少価値の高い素晴らしい豆を、時間をかけた焙煎前後の『ハンドピック』という作業を通して、よりおいしいコーヒーにしてご提供させていただいております。

ハンドピックとは…!?

どんな最高級のコーヒー豆でも、その中に少しは欠点豆(割れた豆や、虫食いなどで少し痛んだ豆)が含まれています。これらを取り除かずに、焙煎してしまいますと、どうしてもコーヒーの味が落ちてしまいます。その為、焙煎の前後には必ずこれらの不良品を一つ一つ手作業で完全に取り除くことが欠かせません。この作業をハンドピックといい、非常に手間隙のかかる作業なのですが、最高級のコーヒー豆の持ち味を最大限に生かすためですので、私共の店舗では、最新の注意をはらいながらこの作業を徹底して行っております。なぜかと申しますと、この様な手間隙かけた、きめの細かい作業を行い、生産農場の人々の努力の結晶である最高品質の豆を、さらに最高の形で商品化して消費者に届けることこそが、生産農場の人々の苦労に応える唯一の道であると考えているからです。

そして…

さらに言わせていただければ、
焙煎の技術にはそれなりのキャリアが必要です!


いくら、ハンドピックの作業を徹底して、不良品をとりのぞいても、焙煎技術のレベルが低ければ、せっかくの豆も台無しです。前出のクイズの3問目で、


“コーヒー豆の品質さえ良ければ、
ドリップなどで淹れる人の抽出技術のよしあしによって
大きく味が変わることはない”


と説明いたしましたとおり、コーヒー豆の品質さえ良ければ、淹れ方そのものでそれほど大きく差が出ることはないのですが、

さすがに生豆の焙煎工程だけはそうは行かず、
かなりのキャリアを必要とします!
なぜなら、そのコーヒー豆本来の持ち味を最大限に生かすには、一粒一粒の豆の、表面から深部にいたるまでに、均等に熱を加えなければならず、そのポイントが、銘柄によっても、天候や湿度による水分の含有量によっても常に微妙に変動する為、長年の間に培った勘がどうしても必要になります。25年以上この仕事に携わり、どこにも負けない焙煎技術を自負いたしておりますが、私自身も毎日が勉強の連続です。
ブラジル下坂農園のコーヒー豆を焙煎しているところです…
※ 焙煎度合  
フルシティーロースト(200度以上の熱処理仕上げで独得の香りを引き出す。)
焙煎のポイント  (生臭い酸味を除去し香りを高めコクを引き出す。)
焙煎という熱処理作業が加わって、はじめてその豆特有の香りと風味が生じる。
熱処理による成分の科学変化から人間の身体に良いとされる化学成分
(クロロゲン酸)(カフェイン)・・抗癌作用。
香りを特定ずける(フラン化合物)・(カルボニ−ル化合物)などが生み出される


とは言え、私共は、巷にあふれている低価格の量産品を決して否定するわけではありません。なぜなら、それはそれで、人それぞれにコーヒーに対する好みや価値観が違うのですから…。あくまでも自分が良いと思うものが現時点でその方にとっては最高の物でしょう。しかし、その様な商品を飲む場合でも、次の点を注意されることをおすすめいたします。
一般に市販されている焙煎豆は、浅炒りが多く出廻っていいます。これは賞味期間を長く設定するためですが、この浅炒り豆は色が淡く、十分炒りあがっていないため刺激的な舌ざわりの悪い味《生臭さ、渋味、過度の酸味》が残っています。このような豆を購入した場合は荒挽きの方法で軽く淹れて飲まれると、これらを少しでも緩和できると思います。



長々と書き連ねてしまいましたが、高品質の無農薬栽培のコーヒー豆を世の中の一人でも多くの方に知っていただき、生鮮食料品としてのコーヒー豆の正しい知識を持っていただくことが、これからも私のライフワークであります。

これからも、最高品質のコーヒー皆様方にお届けできるように精一杯頑張ってまいりたいと思っておりますので、どうぞ珈琲館時計台を末永くご愛顧いただきます様、スタッフ一同心よりお願い申し上げます。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました!




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